忍者ブログ
ゲーム系二次創作です。
7  6  5  4  3  2 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

↓パパ×お頭です。
 パパはメロメロだといいです。


 寝台の上に眠る甘寧。

 横臥して、腕を胸に抱いて、膝を抱えたような姿は眠る猫のようでもあり、繭に収められた蛹のようでもある。

 孫堅の寝台に眠るようになって、もう幾度目の夜かはわからないくらいになってしまったが、甘寧の寝姿を肴に晩酌をするのは孫堅の密かな楽しみになっていた。甘寧がそんな事を知れば、きっと、もうこの寝台には眠らないのだろうと思うと、密かに楽しむだけなのだが…、安らかな寝息を乱すこともしたくは無い。

 張り詰めた筋肉の上を埋め尽くす彫り物に抱かれ、規則正しく繰り返される呼吸の音さえもが愛おしい。

 初めは、御しがたい甘寧の様子に、どちらが支配者であるのかを教えることが目的だった。圧倒的な力で抑え込んで、主は誰かを躾けるような気持ちはあったのだと思う。

 ……それが、今はどうだ…このように骨抜きにされるとは……。

 決して、手元において可愛がる為に甘寧を手に入れたわけではなかった。呂蒙に預け、呉の者達にも馴染ませるようにもした。甘寧は、愛玩するような相手ではない。自分にも言い聞かせてきたつもりではあったが……こうして寝顔を見るだけで心癒されるようになってしまった自分の心が、孫堅にも計れない。
 女のように着飾らせ、愛で慈しみたいわけではないのだ。だが、…戦場では向う見ずに突っ込んで行くような甘寧が、自分に見せる恥じらい、戸惑い、そしてそれを凌駕するほどの恋心を知ってしまってから、孫堅も心穏かにはいられなくなっていた。見た目の良さもあって、幼少の頃にはそう言った経験もあったのではないかと思っていた孫堅だったが、初めて寝間に呼んだ時の甘寧の子供のような顔を見てしまってから、孫堅にも気持ちはあったのだと思う。主である自分に逆らわないように、必死に戒めながらも、脅える甘寧が愛らしかった。

 年甲斐もなく、と自嘲の笑みが漏れるが、穏かに紡がれる寝息が愛しかった。
 男などは一切知らなかった甘寧を引き裂き、流血のうちに幕を引いた初夜であったが、甘寧の無き濡れた眼は孫堅を真っ直ぐに見たのだ。反らすことなく見詰める双眸、…それは孫堅の方が困ってしまうような子供の目ではあったが…、その眼の中に自分に向ける思いを知った。一度きりと決めていた孫堅に、再び甘寧を寝間に呼ばせたのはその瞳だった。
 陵辱と言っていいような行為、それを何としても埋め合わせたいと思ってしまったのだ。元より、女ではない甘寧に錦や宝玉で気を引くわけにも行かず、過分な地位を与えれば、かえって甘寧の誇りを傷つけるように思われた。ただ、甘寧の眼差しの中にある恋に応える事でしか、それは出来ないと思った。
 燭台の明かりを受けて、薄らと汗で輝く甘寧の肩が小さく身じろいだ。惜しげもなく素肌を晒す甘寧は美しく、無防備な寝顔は愛らしかった。
「流石にこのままでは風邪をひかせてしまうか…」
 名残惜しむように孫堅の目が甘寧の肌の上を滑ると、その眼差しに呼び起こされたのか、甘寧の腕が伸ばされた。
 まだ眠りの中にある唇が薄らと開き、虎の美しい毛皮を綴り合わせた敷布の上を甘寧の手が彷徨う。その手が何を探しているかに思い至り、孫堅の顔に笑みが広がった。
 ……全くもって愛らしい事だ……。
 繭を解いて、甘寧が探すのは虎の腕。
 寝台を軋ませて甘寧を起してしまわないように、孫堅が注意深く身を横たえる。
 孫堅の体温に触れ、もぞりと体を動かした甘寧が虎の懐に新たな繭を編む。滑らかな背を引き寄せて、胸の中に囲うと小さな鼻息が満足そうに漏れた。
 孫堅も知らぬうちに、この繭を抱く寝床となって……、夜毎の夢は紡がれて行く。
PR
りりにコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
りり
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
HOMEへ戻る
忍者ブログ | [PR]
shinobi.jp